代表取締役 中口社長
御社の略歴について教えてください。
1973年に創業し、今年で50年を迎えます。先代の頃は総合建設で主に施工を専門としてやっていました。その中で住宅建築もありましたが、当時はまだ少数で、私が入社した16年ほど前から徐々に住宅にも力を入れていくことになり、現在では新築、リノベーション、リフォーム、不動産の4つを軸に事業を展開しています。
自社大工のいる数少ない設計工務店として「自社設計・施工・アフターケア」というこだわりの家づくりをしています。
不動産を扱える工務店は限られていますね。
不動産の事業は3年前から始めました。住宅の相談に来てくださるお客様の半数は土地を持っていないので、今までは不動産屋さんを紹介していたのですが、建てたい家にそぐわない土地を買ってしまうということが時々あるんです。またもともと住んでいる家ではなく、中古物件を購入してリノベーションをする方が増えてきたこともあって、不動産のことまで自社で全面的にサポートできるようにしたい、という想いがありました。
トータルで提案することができれば利点も増えそうですね。
そうですね。お客様の負担をできるだけ減らすことができますし、よりご希望に沿った家づくりが実現しやすくなりました。トータルで提案することでスムーズに受注に繋げることができるようになったのも弊社にとって大きな利点でした。
丁寧に作り込まれた模型
とても綺麗な社屋ですね。こちらの応接室からは、お隣の新社屋も見えます。
今皆さんがいらっしゃるこちらの社屋は築20年なのですが、4年ほど前に断熱改修して綺麗になりました。隣は、元々大工小屋だったところを建て替えて、去年の年末に完成したばかりです。1階は機械を入れて加工場に、2階と3階は事務所にする予定で、2023年の4月からこちらの建物と隣の新社屋の2階が繋がる予定です。
スタッフも増え手狭になってきたので、事務スペースを拡大したいと思っています。
現在社員の方は何名いらっしゃるのですか?
正規、非正規含めて23名と大工さん4名の、合計27名です。
具体的な広報活動の取り組みとは?
Instagram等のSNSを活用したり、ホームページも自分たちでこまめに更新したりしています。サイトやSNSを見て来てくださるお客様が多いので、弊社の取り組みがより多くの人に伝わるように情報発信に力を入れています。
SNSを強化しようと思ったきっかけは?
自社で始めるまでは媒体ごとに外注でお願いしていたのですが、依頼先によって表現のニュアンスが微妙に違ったり、こちらの思いがうまく伝わっていなかったりともどかしい気持ちになることが多々ありました。やっと合ってきたと思っても依頼先が変わってしまうとまた全てが1からになってしまうので、それなら自社でできるようになったほうがいいなと考えるようになりました。
一般的な工務店では大工さんは外注がほとんどだと聞きますが、自社に大工さんがいることの強みを教えてください。
自社の設計・施工の意図が相違なくしっかりと伝わるので、細かいところまで再現してくれますし、現場の進行も滞りなくスムーズに行えます。実際家が完成してから「思ってたのと違う」といったトラブルもなく、安心感や安定感があるのも強みだと思います。意思疎通や阿吽の呼吸みたいなものは、自社大工ならではでしょうね。
逆にデメリットはありますか?
大工さんの手が空いてしまわないように、仕事を調整する必要はあります。ただ先輩の大工さんには現場監督として若い大工さんや外注の大工さんの管理や教育をしてもらったり、ごく稀に仕事が途切れるタイミングでは、加工場で木を削ってもらったり、他のことも色々とやってもらっているので、とても助かっています。
シーカヤックはアクティブな現会長の趣味のひとつ
年間の施工棟数は?
月に1棟のペースです。それとは別に、リノベーションは年間で6、7棟、リフォームは細かいのがたくさんあります。リノベーションの依頼もだいぶ増えてきました。リフォームは新規の方に向けた広告などは出していないのですが、OBさんや紹介などで沢山お声がけいただき、とてもありがたいことだと思っています。
施工エリアは?
和歌山市内をメインに、会社から1時間程度の範囲を目安に請け負っています。
同じ和歌山県でも、市内と市外ではかなり距離がありますが、県内の遠方からの依頼もありそうですね。
和歌山はとても広いので3時間くらいかかる場所からご依頼いただくこともあるのですが、残念ながらお断りしている状況です。お受けしたい気持ちは山々なのですが、アフターケアまで親身になって取り組みたいという思いがあるので、それを双方負担なく実現するためにもまずは手の届く範囲からと考えています。
最初から最後までしっかり寄り添いたいという思いがとても伝わってきます。そんな御社の特別な秘密があれば教えてください。
先ほどお話しした自社設計施工であるという点がひとつ。もうひとつは、設計士と大工のふたつの視点から作り出した「DANRAN」です。
「DANRAN」とは弊社独自の「吹き抜け」を用いた家づくりのことで、明るく開放的なリビングや、自然環境との調和に優れたパッシブデザインの設計手法が特徴です。
SE構法「重量木骨プレミアムパートナー」
ウッドショックの影響はありましたか?
特にありませんでした。SE構法の登録店ですので、安定して木材を供給してもらうことができ、とても助かりました。
むしろウッドショックよりも、最近の物価高騰の方が影響が大きいように感じます。
SDGsへの取り組みについて意識していることは?
国産材を使うということ自体もそうですが、それだけではなく長く使えるものをつくることや、人にも環境にも良い素材を積極的に使うことが大切だと考えています。そのためにするべきことや必要なものを適材適所で選び、長いスパンで考えたものづくりに取り組んでいます。
近木協に加入されたのはいつ頃ですか?
2014年頃ですね。色んな会社と繋がれたり情報が入ってきたりするといいなという期待もありますし、何より縁は大事にしたいと思っています。
近木協に求めることはありますか。
横のつながりができるような交流の場があればいいなと思っています。今後、会員同士で集まったり情報共有したりできることを楽しみにしています。