会員紹介 MEMBERSHIP

株式会社桧野商

会員の種類
賛助会員
主な業種
材木卸業
本社
  • 〒673-0435
    兵庫県三木市別所町高木949-286
  • Tel. 0794-86-7686
WEBサイト
https://hinosho.web.fc2.com/

INTERVIEW インタビュー

取材:2023年1月12日

※本文中の情報はすべて取材当時のものです

中塚社長と娘の三千美さん

御社の略歴を教えてください。

株式会社桧野商になったのが平成5年。私自身は昭和61年にこの業界に入り、のちに独立しました。

平成初期というとベビーブームも終わり、戸建て住宅の需要は下降気味だったのでは?

ベストなタイミングではありませんでしたね。この地域にたくさんあった材木店も徐々に減っていき、今では数えるほどしか残っていません。

主な仕事内容は?

桧野商は材木の卸問屋です。私どもが工務店さんに直接材木を売ることはなく、仕入れた木を小売店さんに買っていただく中継ぎです。

どのような木を取り扱っていますか?

90%国産材です。輸入材を中心に取り扱う会社も多い中、桧野商は良質な国産材にこだわり、日本の木の魅力をよく知っているお客様からのニーズに応えられるよう努めています。

国産材中心でもウッドショックの影響はありましたか?

良質な国産材を数多く取り揃える倉庫

木の特徴を丁寧に説明してくださる中塚社長

ありましたね。コロナが原因で港や工場が人手不足で輸入材の価格が倍以上になり、やっとコロナが落ち着いてきたと思ったら今度はウクライナとロシアの戦争が始まってまた北欧材の輸入が制限されました。
そんな中、国産材に注目が集まり需要も高まっていったのですが、仕入れすぎるとまた輸入材が入ってくるようになった時に大量の在庫を抱えてしまう。そこのバランスをとるのが難しく苦労しました。

当時は日本中の工務店が国産材を求めて右往左往していたと思いますが、エンドユーザーと直接関わりを持つのは難しいのですか?

直接ではありませんが、工務店さんにも桧野商の存在を知っていただくことで、いつも取り引きをしている材木店に「桧野商に聞いてみて」と相談してもらえるのが理想です。

そういった機会を作るためにも、最近は工務店や小売店と連携して木造建物のプランニングなどもしています。また製材部では、実際にエンドユーザー向けに木を使ったアロマや消臭アイテムを企画・デザインし、ロハスフェスタで販売などもしています。

樹齢100年の上質なクスノキを使用したアロマチップ

消臭・防虫剤効果のあるアロマスティック

暮らしの中で木に触れることで御社を知ってもらうきっかけになりますね。

はい。こうした取り組みによって木を好きになってもらい、木造住宅の話に繋げられればという気持ちもあります。少しでも多くの人にとって「木造住宅」が選択肢に入ってくれたら嬉しいです。

昨年、京都の松尾大社にある衣手神社に神輿轅を納品されたそうですが、どういった経緯があったのですか?

もともと社寺仏閣関係の仕事をよくやっていたこともあり、声をかけていただきました。13mの大きな桧の丸太が2本必要で、太さにも決まりがあり、探すのに大変苦労しました。最適な木に出会うのに3年もの年月を要しました。

震災復興などにも取り組まれていて、周りの方からとても信頼されていることが伺えます。

ありがたいことに皆さん声をかけてくださいます。困ったら桧野商に、と思ってくださるというのが嬉しいですね。

問屋さんならではの立ち位置で問題解決ができるのが御社の強みであるように感じます。

そうかもしれませんね。色々やっているんですが、なかなか弊社の取り組みを知ってもらう機会も少ないので、近木協をきっかけにより多くの方と接点を持ち「一度あそこで木を見てみよう」と思っていただければ幸いです。

1年に1本ずつ増える年輪を数え樹齢をみる

近木協に入られたのはいつ頃ですか?また、賛助会員であることでメリットやよかったことなどはありますか?

入会したのは立ち上げ初期です。しっかりと軌道に乗ったりメリットを感じたりできるようになるのは10年くらいはかかるのかなと思っています。弊社の立ち位置では一般会員の方と直接商売することはできないのですが、理事のオカメイさんなどに窓口になっていただき、仕事の輪や繋がりが生まれればいいなと思っています。

近木協に期待することに「学校での教育現場に関わりたい」とありますが、具体的にどのようなことでしょう?

我々の業界も人手不足が深刻な問題で、そもそもこの材木業で働きたいと思ってくれる若い方がなかなかいないというのが現状です。大手ハウスメーカーや工務店などは、何をしているかが明確でわかりやすい一方で、我々の仕事は裏方なので仕事内容が伝わりにくいんです。木に触れ、この業界について知ってもう機会が増えれば、木を愛でる住まいづくりに関心のある人も増えるのではないかと期待しています。

そもそも業界自体の認知度を上げることが人手不足の解消に繋がりそうですね。

そうです。一社だけでは限界があるので、近木協として就活説明会やワークショップなどの取り組みがでれば、可能性も広がっていいのではないかと思います。