テーマ:外装仕上げ材について
こんにちは!!
前回は家づくりの「内装仕上げ材」について綴っていきましたね。ということは今回は「外装仕上げ材」について綴っていきますよ!
それでは最後までお付き合いよろしくお願いします!
家の外壁は、どのような材料で仕上げられているでしょうか?
外壁材の種類は主に次の4つに分かれます。
①サイディング:窯業系、金属系、樹脂系、木質系
②モルタル
③タイル
④ALC
外壁の一番の目的は、その「防水性」にあります。他にも、耐火性、断熱性、遮音性、耐震性、意匠性(美観)など、重要な機能も兼ね備えています。
それでもデザイン、耐久性、メンテナンス性など、全てのニーズを網羅できるような外壁はありえません。それぞれの外壁によって性能や耐久性、コストなど特徴が違ってくるため、何を基準に、どんな目的で外壁材を選ぶのか、よく考えることが大切です。
それでは④つの外壁についてご説明していきます。
①サイディング:窯業系、金属系、樹脂系、木質系
そもそもサイディングとは、板状の外壁材を総称したもので、工場生産なので品質が安定しているのが長所と言えます。サイディングは窯業系の他に、金属系、樹脂系、木質系があります。その中でも、窯業系サイディングは、セメント質と繊維質などの原料を板状に形成したもので、近年の住宅でもっとも多く使用されており、70~80%のシェアと言われています。
コスト・機能性・デザイン性など、他の外壁材と比較しても総合的に優れていて、色柄も豊富、施工も比較的容易なのが人気の理由です。
メンテナンスのサインはコーキング!
サイディングには継ぎ目があるので、継ぎ目に使用するコーキング材の経年劣化が欠点です。コーキングに劣化が見られたら改修が必要なので、注意しましょう。
コーキング材が劣化する特徴として、「剥離・変色または褪色・表面のひび割れ」などの現象を見逃さないことが大切です。
②モルタルとは
モルタルとは、砂とセメントと水を混ぜ合わせた材料のことです。
モルタルには、十分な防火性があり、継ぎ目がないので、どんな形状の外壁にも対応できるデザインの自由度の高さがあります。そのため、仕上げによって多彩な装いとなるのが、他の外壁材にはない大きなメリットです。それでも職人の手作業による現場施工になるので、左官職人の実力や仕上げを行なう塗装職人の腕前、現場での品質管理によって仕上げや耐久性に大きな差が出ることもあります。
メンテナンスについて
モルタルは、適切な施工をした場合、30年以上の耐用年数があるとされています。しかし、長く機能を保つためには、適切なメンテナンスが欠かせません。モルタルの最大の弱点は「ひび割れ」です。ひび割れが発生すると、雨水が浸入し構造部分の腐食や雨漏りを引き起こす危険性があるため、補修が必須となります。他にも、チョーキングや剥がれなど、モルタルで注意すべき劣化のサインは多くあります。仕上げ方法が不十分であったり、使用される塗料のグレードが低いもの場合、カビや汚れがつきやすく、外観だけでなく耐久性も悪くなります。そのため定期的なメンテナンスを行い、塗膜の耐久性に注意すること、そしてモルタルの表面にチョーキングや亀裂・剥がれ・コケ・藻の発生などの症状が出たら、すぐに専門家に診断してもらうことが家を長持ちさせる秘訣です。
③タイルとは
タイルとは、粘土を主成分とした原料を、板状にして焼き固めた外壁のことを指します。
ここでは、タイルのメリット・デメリット、注意点、について詳しく解説していきます。
タイルの最大のメリット・・・耐久性に優れている
これはタイル自体が、非常に硬くて傷や摩耗がつきにくく、紫外線による変色や褪色といった経年劣化もほとんどないことが理由として挙げられます。さらに、ほとんど吸水しないので、汚れにくく、雨の影響を受けにくい素材でもあります。
また、正しく施工されれば、20年~30年以上の耐久性を発揮します。
タイルのデメリット
タイルには、表面まで埋めた目地と、多少くぼみを残した「深目地」という2つの目地があります。この2つのうち「深目地」というのが、タイルの大きなデメリットです。
なぜなら「深目地」は雨水が滞留しやすく外壁下地にまで湿気が帯びてしまうため、劣化が早くなってしまうからです。
タイルで最も注意してほしいのは「浮き」や「剥がれ」です。これは、施工不良や継ぎ目、コーキングの劣化が原因で、タイルの裏側に水が侵入してしまうため発生する現象です。そのため、いくらタイルの耐久性が高くても、定期的な点検やメンテナンスは欠かせません。
メンテナンスについて
外壁材にタイルを選んだら、浮きや剥がれが起きないように、継ぎ目やコーキングの劣化に気をつけましょう。
④ALCとは
ALCとは、ケイ酸質、石灰質、アルミニウム粉末を主原料とし、高温高圧で蒸気養生された軽量気泡コンクリートパネルのことです。特徴としては、水に浮くほど軽く、建物に負担を与えません。また、断熱性・耐火性に優れているなど、非常に優秀な外壁材です。
ただし、ALCは多孔構造なので、防水性はほとんどありません。そのため、防水性の機能は仕上げ材によります。そのためALCの塗料には防水性、耐久性の高い塗料を使用します。
メンテナンスについて
ALCにはパネルの継ぎ目があるので、継ぎ目のコーキングが劣化してしまうと防水性が低下して、雨漏りの原因になります。そのため、定期的なメンテナンスでは、塗膜だけでなく、コーキングが劣化していないか確認することが大切です。
ここまで主要な外壁材の性能について説明してきましたが、自分で選ぶ場合、どう選べばよいの?とお考えの方もいるのではないでしょうか?
外壁材を選ぶ際は、次の3つをまずは押さえましょう。
① 価格、② メンテナンス性、③ デザイン性
①価格で選ぶ
外壁材の価格は、同じ大きさでも最大でも10倍以上も異なるため、必ず自分の予算に見合った外壁材を選ぶことが大切です。ただし、安すぎる外壁材には注意が必要です。そのような場合、そもそも外壁材自体に防火性能が備わっていない、あるいは、施工段階で下地補修を全くしない手抜き工事業者、などの場合も存在します。そのため、まずは外壁材の費用相場を把握し、予算圏内かつ目安価格帯の外壁材を選ぶようにしましょう。
②メンテナンス性で選ぶ
外壁はメンテナンスの有無によってその耐久性・寿命が大きく変わってくるため、メンテナンスは非常に重要です。そしてメンテナンスフリーな外壁材は存在しないという点に注意しましょう。メンテナンスの頻度が少なくて済む外壁材はありますが、その分非常に値段も高くなってきます。
③デザイン性で選ぶ
当然ですが、外壁は種類によってその見た目は異なります。色や素材、質感、ツヤ感などにより全く印象が異なるため、サンプルや3Dパースなどで事前のシュミレーションは必ず行いましょう。主要外壁材が与える印象をまとめましたので、参考にしてみてください。
・窯業系サイディング:デザインの種類が豊富で洋風・和風・モダンなどを自由に選べる
・金属系サイディング:メタリックでスタイリッシュな印象を与える
・モルタル:多彩な仕上げ方法で重厚感や高級感がでる
・タイル:最も高級感が感じられる外壁
・ALC:モルタルやサイディングほどデザイン性の自由度は高くない
自分に合った外壁材を選ぶなら、「自分に求める外壁材は何なのか」をよく考えることが大切です。なぜなら、冒頭にもふれましたが、すべてのニーズを満たしてくれる外壁材はないからです。見た目やイニシャルコストだけで、外壁材を選んでしまうと、機能面やメンテナンス性で後悔することになります。そのため、自分が求める外壁材は何なのかについては、ご説明してきた項目を参考に比較検討して、しっかり考えてから決めてくださいね。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました!