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木造軸組工法(在来工法)

日本伝統の工法で、柱や梁などの木材の組み合わせで骨組みを造り、壁に入れる筋交いと共に建物を支える構造の家。間取りの自由度が比較的高く、将来的な増改築も行いやすいです。「在来工法」とも言い、日本の建築を代表する工法とも言えます。

下のグラフは平成30年度の戸建住宅・工法別シェアです。「木造軸組工法など」の71.3%と「2×4」の10.8%を合わせた木造住宅の割合は82.1%に達し、「プレハブ」を大きく上回っています。また、平成27年『農林水産情報交流ネットワーク事業 全国調査』では、「もし、住宅を建てるとしたら、どの工法を選びたいか」という問いに対し、「木造住宅(在来工法)」と答えた人の割合が51.9%、「木造住宅(ツーバイフォーなど)」が22.8%となり、日本人の木造住宅の人気は70%を超えています。

 

戸建住宅(持家)の工法による内訳

(出典)住宅産業研究所調べ

住宅を建てる場合に選びたい工法

(出展)農林水産情報交流ネットワーク事業 全国調査

このように、軸組構法は日本の家を代表するものと言っても過言ではありません。

メリット

木造軸組工法のメリットは「外壁・屋根形状など、設計の自由度が高い」、「一般的な工法のため、どこの工務店でも施工できる」などが挙げられます。

木造軸組工法は、設計の自由度が高いため増改築やリフォームなども行いやすいです。日本の伝統工法と言われるぐらいですので、設計を行う工務店・建築会社がもっとも多いため、幅広い選択肢の中から施工業者を選ぶことができます。また、施工業者が多いのは資材が大量生産されるという事ですので、全体的なコスパが良い建築工法になります。

デメリット

一方、木造軸組工法のデメリットとして挙げられるのが、「防火・耐水・耐震性に弱い」点です。「木造」住宅であるため、鉄骨組のものよりも火事の際に強度が低下しやすいです。ですが、防湿や防火、防蟻などの加工を行うことで、これらのデメリットをカバーすることができます。また木造枠組工法を取り扱う施工業者が多いため、施工を依頼する業者によって品質がばらつきやすいこともデメリットのひとつです。

2×4工法

箱状の空間を左右につなげたり上下に重ねる工法。
耐震性や耐火性が比較的高いが開口部の大きさに制限が出る場合がある。木造軸組と比べて間取りの自由度は低い。

地震や台風によって建物に生じる力を、2X4工法では壁や床で構成される六面の構造体を、ルービックキューブのようにいくつも組み合わせることによって耐震性を確保しています。一つ一つの六面体を耐力壁区画あるいはブロックといい、その壁を耐力壁といいます。左の図では、1階では4つのブロックが、2階では2つのブロックが集まって全体としての建物ができあがっています。このように各ブロックが耐震力を持っているため、比較的に地震により強い家と言えます。

メリット

ツーバイフォー工法を用いるメリットは、「耐震性・耐火性に優れた住居を建てられる点」です。構造上、気密性や耐火性が高くなるために火災のリスクを低下させることができます。また、工場で大量生産された木材を用いて建築されるため、手間がかかりません。施工にかかる期間も短く、建築にかかる費用をカットできます。

デメリット

一方、ツーバイフォー工法のデメリットとして挙げられるのが、「剛性が強く、制震装置の設置に向いていない」、「空間デザインの自由度は低い」などが挙げられます。制震装置は、柱や梁の内部に取り付ける装置であり、弾性のある構造と相性が良いといわれています。ツーバイフォー工法によって形作られる構造は剛性が高いため、制震装置が本来の効果を発揮できないケースもあります。また、ツーバイフォー工法は空間デザインの自由度が低く、増改築やリフォーム、間取りの変更などが行いにくいといえます。木材を使用する構造であるため、防湿、防腐、防蟻の対策を怠らないようにしましょう。

RC造(壁式工法)

鉄筋を組み型枠を立てて、そこにコンクリートを流し込んで柱や壁を造る工法の事を言います。
他の工法と比べて一般的に耐火性や耐久性が高い。一方で工期が長くなりがちで、木造と比べて建築費が高くなります。

「壁式構造」は、柱や梁の枠組みの代わりに「壁」という面で建物を支える構造であるため、壁式構造では「耐力壁」と呼ばれる、縦や横からの力に強く分厚く強固な鉄筋コンクリートの壁が使われる。この耐力壁を使って床と壁を接合し、頑丈な建物を作っていきます。しかし、高層になると建物の強度が十分に保てなくなることから、5階以下の中低層のマンションや建築物に利用される建物構造です。

建築会社やグレードなどにより坪単価価格には変動しますが、一般的な坪単価の価格帯は左のグラフのようになります。あくまでも参考価額になりますが、一般的には、鉄筋コンクリート住宅の坪単価の価格が最も高くなります。
但し、高いだけではありません。左のグラフは住宅の構造別に法律で定められている耐用年数です。法定耐用年数では、木造住宅が22年、鉄骨造住宅が34年、鉄筋コンクリート住宅が47年と定められています。グラフを一目で分かりますが、耐用年数は木造住宅の2倍ぐらいあるため、耐久性が高く、長い間安心して住める家であることは間違いありません。

メリット

部屋への柱の出っ張りがなく部屋をまっすぐに使える壁で建物を構成する壁式構造では、支えとなる柱や梁を使っていないため、柱や梁が突き出ることはなく、基本的に部屋に凹凸はありません。したがって、部屋をまっすぐに使うことができ、家具もきれいに置きやすくなります。

・断熱性・防音性にすぐれている耐力壁は分厚く断熱性にすぐれ、冷暖房の効率が高いです。また、分厚い壁で音を遮断するため防音効果もあります。

・建物が強固で耐震性にすぐれている柱と梁の「線」で建物を支えるラーメン構造よりも、耐力壁という「面」で建物を支える壁式構造の方が頑丈で、耐震性にすぐれています。

・もっとも長い耐用年数。建て替えしなくても長い間安心して住める家です。

デメリット

・間取り変更の自由度が低い壁式構造の壁は、建物を支える重要な建物構造であるため、取り払うことができません。そのため、壁の撤去をともなうリノベーションはできず、間取り変更の自由度は低くなります。ただし、建物構造に影響を与えない壁(軽鉄とボードで作られているような壁)であれば撤去は可能です。

・窓やドアなどの開口部も制限される建物構造を支える耐力壁(鉄筋コンクリートの壁)については、窓やドアなどの開口部の場所や数、大きさも制限されます。そのため、「部屋を明るくするために窓を大きくしたい」という変更も非常に困難です。

鉄骨造(ラーメン構造)

柱や梁を鉄骨で造る構造。鉄骨の種類により軽量鉄骨造と重量鉄骨造があります。
木造軸組と比べて柱の本数が少なくてすむため間取りの自由度は高く、3・4階建てにも使用される。一方で、木造住宅に比べて、コストがかかります。

メリット

・間取り変更の自由度が高いラーメン構造では、建物の構造に影響しない壁であれば、基本的に取り外しや移動ができます。一戸建てなら一番外側の壁以外の壁、マンションなら隣戸との境の壁以外の壁は、軽鉄とボードで簡単に作られていることが多く変更可能です。そのため、リノベーションの際には、壁を取り払ったり壁の位置を変えたりする大がかりな間取り変更ができます。

・室内空間を広く使うことができる柱と梁の接合部を剛接合することで建物の強度を高めているため、壁を省いたり壁を薄くしたりすることによって、より広い室内空間を作り出すことが可能です。

デメリット

・部屋に柱や梁が出っ張って凹凸ができる建物を支える太い柱や梁が室内に突き出し、部屋に凹凸ができてしまいます。そのため、柱がじゃまになって、家具をきれいに置けずに使い勝手が悪くなることがあります。また、突き出た柱や梁に圧迫感を感じるかもしれません。

・横からの力に弱く耐震性に劣る柱と梁の接合部を剛接合して耐震性を高めていますが、もともとの基本構造が「枠」のため、どうしても横からの力に弱いという性質があります。したがって、横ゆれに弱く、前述の「壁式構造」に比べると耐震性の面で劣ります。

プレハブ工法

柱や壁、梁などの部材を工場で造り、現場で組み立てる工法です。工場で造るため品質管理がしやすく、工期も比較的短いのが特徴です。躯体の種類により①鉄骨系・②木質系・③コンクリート系に分けられます。

(1)木質系プレハブ住宅

木材や木質系パネルで主要構造部(柱・梁・壁)がつくられているのが木質系プレハブ住宅です。

さらに、工場で製作する部材範囲などを基準として、下記3種類の木質系プレハブ住宅に分類することができます。

  • 軸組式:工場で部材をプレカットし、そのほかは住宅建設現場にて作業を行う方式
  • パネル式:工場で生産された木質系パネルで構成する方式
  • 軸組パネル併用式:プレカット材による軸組に既成パネルを張る方式

(2)コンクリート系プレハブ住宅

コンクリート系プレハブ住宅は、木質系プレハブ住宅に次いで歴史が長く、1949年につくられた組立鉄筋コンクリート構造(プレハブ)の建物が起源です。

コンクリートを主原料とした工場生産の部材にて主要構造部(柱・梁・壁)がつくられています。

現代では、下記3種類の方式があります。

  • 組積式:コンクリートブロックなどで組積・構築する方式
  • 組立式:工場にて製作したコンクリート部材(柱・梁・床・壁など)を現地で組み立てる方式
  • 併用式:組立式、組積式に鉄骨を併用した方式

(3)鉄骨系プレハブ住宅

鉄骨系プレハブ住宅は、工場生産した軽量鉄骨の骨組みを建築現場で組み立ててつくられています。

近頃の日本において、数多くつくられているプレハブ住宅が鉄骨系プレハブ住宅で、ハウスメーカーの主要な住宅ラインナップの一つです。

また、鉄骨系プレハブ工法は、改修工事時や災害時などの仮設用住宅、仮設用店舗、仮設用事務所などに活用されています。このような建物は“規格建築”と呼ばれています。

メリット

プレハブ住宅は住宅部材を工場生産する工法です。工場生産の割合(比率)が高いほど、プレハブの特徴が色濃く表れます。プレハブ住宅の最大の特徴であり、メリットとなるのが下記3つです。

  • 工期を大幅に短縮でき、トータルコストを削減できる
  • 職人技術に頼る割合が少なく、均一な品質の施工ができる
  • 設計に忠実な施工が可能で設計どおりの十分な耐震性が確保できる

デメリット

一般工法住宅と比較した場合、プレハブ住宅のデメリットとしては、主に下記3つが挙げられます。

  • 設計の自由度が低い(規格品住宅)
  • 間取り変更を含めたリフォームが困難な住宅になる
  • 臨機応変な施工が困難(職人の技術力が生かしにくい)

設計の自由度が低い

規格品のデメリットは、設計の自由度が低いこと。一つ一つの土地には個性があり、その土地に合わせて設計・施工を行うのが住宅建設では一般的なのですが、「土地の個性に応じた設計」をしにくいのがプレハブ住宅です。

プレハブ住宅は、とくに敷地いっぱいに住宅を計画するのには不向きです。広めの敷地に余白(ゆとりのある外構)を残した計画にする必要があるため、土地を生かしきれないことがあるでしょう。また、土地形状によっては、プレハブ住宅を建てられないことも。具体的には、四角ではない不定形な土地、狭い土地、法規制の厳しい土地(斜線制限など)などが該当します。

既製品なので、デザインの自由度が低い傾向もあります。

 

間取り変更を含めたリフォームが困難

プレハブ住宅は、建築基準法などの法規制があり、特殊な認可を受けていることが大半です。そのため、住宅完成後にリフォームなどの設計改変を行うことが困難な場合があります。

単純な内装仕上げの張り替えなどは行えますが、間取りの変更など、躯体(壁・床・天井・屋根・基礎など)に関わるリフォームを行うためには、一般工法の住宅と比較して技術的な困難がある、リフォーム費用が高くなるなどのデメリットがあります。

 

臨機応変な施工が難しい

注文住宅などの場合、着工後に新たな要望が出てきたとき、計画変更を行うことができます。

しかし、規格品であるプレハブ住宅では、基本的に臨機応変な施工対応はできません。

プレハブ住宅に特化した職人を中心に施工を行っているケースが多く、着工後の計画変更は、施工品質の低下などを招く恐れがあります。